ホーム > WEBマガジン > 【開発品紹介】耐薬品性コーティング・封止材 フッ素シーラント

Fluoro Sealant

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開発品紹介

07/2022

耐薬品性コーティング・封止材

フッ素シーラント(開発品)

ダイキンが開発した耐薬品性コーティング・封止材「フッ素シーラント」は、薬品や湿度に対して優れた耐久性能を示すコーティング材料です。

様々なコーティング方法での塗布に適応し、塗布後は室温で硬化して、耐薬品性、耐電圧性、水蒸気バリア性等に優れた機能性膜を形成します。

ご使用目的に応じた粘度違い、UV硬化・熱硬化に対応した材料のご要望も承っております。
ご質問やサンプルのご要望など、お気軽にお問い合わせください。

1. フッ素シーラントとは

  • フッ素シーラントは、ダイキン独自の合成技術により開発されたコーティング材料です。硬化することで弾力性・柔軟性の高い機能膜となり、部品保護等の封止材としてご使用いただけます。

  • 封止材として一般的に用いられるシリコーン樹脂と比べて、ケミカル・溶剤への耐性、絶縁性、防湿性等に優れるため、情報通信、自動車、半導体、メディカルなどのあらゆる分野で、高い機能性が期待されます。

2. フッ素シーラントの特長

(1)耐薬品性
酸・アセトンなどの有機溶剤への耐性に優れます。
シリコーン樹脂とフッ素シーラントをそれぞれトルエンに浸漬した結果、シリコーン樹脂は浸漬後に分解が見られたのに対して、フッ素シーラントは浸漬前後でほとんど重量変化が見られません。

表1. 耐溶剤膨潤性
(溶剤浸漬後の重量変化率)

耐溶剤膨潤性

図1.トルエン耐性
(浸漬後の外観変化)

トルエン耐性

また、人工油脂や日焼け止めなどのケミカルに対しても耐性があり、頻繁に人の手が触れるウェアラブルデバイス等の用途において、封止材としての使用にも適しています。

表2. 耐ケミカル膨潤性(ケミカル浸漬後の重量変化率)

耐ケミカル膨潤性

(2)塗工性
フッ素シーラントは液状で、平面はもちろん、端部や隙間など、様々な形状の部材へコーティングが可能です。

また、溶剤を含まないため、環境負荷が低く、溶剤揮発による体積減少も起こりません。

図2. 塗工性

塗工性

・ニードルディスペンサー、ジェットディスペンサー、ダイコート、スピンコート等、種々なコーティング方法が可能です。
・数μ~数㎜のコーティング膜が得られます。
・室温下で20~30分程度でタックフリーになり、数時間~数日で完全硬化します。
・加熱により硬化時間の短縮が可能です。ご使用目的に合わせた塗工条件をご提案をいたします。



 (3)耐電圧性
フッ素シーラントは、シリコーン樹脂と比べて高い絶縁破壊電圧を示し、絶縁膜としての性能に優れます。

表3. 電気特性(絶縁破壊係数・体積抵抗)

電気特性

(4)低水蒸気透過性 
シリコーン樹脂やエポキシ樹脂に対して、フッ素シーラントは薄膜でも優れた水蒸気バリア性を示します。

表4. 水蒸気透過性

水蒸気透過性


(5)低温特性
フッ素シーラントは耐寒温度が低く、広い温度範囲で安定した特性を発揮します。

表5. 耐寒限界温度

耐寒限界温度


(6)その他一般特性(代表値)
粘度・力学特性はグレードにより異なります。ご要望あればご相談ください。

表6. 一般物性(代表値)

一般物性


3. フッ素シーラントの想定用途

情報通信分野での用途例として、ディスプレイのエッジ部分に生じるの微小ギャップの封止材としての使用が想定されます。

電子デバイスのウェアラブル化・デザインの多様化に伴い、内部部品を溶剤・ケミカル(化粧品)・湿気等から保護したいというニーズに対し、耐薬品性の高いフッ素シーラントで保護することで、内部部材の変色や表示不良の防止につなげることができます。


<その他、想定用途一覧>
・自動車ATFオイルからの内部部材保護
・低温シール(低温液状ガスケット)
・パワー半導体、エレクトロウェッティング用絶縁膜
・精密離型用樹脂

ダイキンでは、お客さまのご使用目的に応じて、粘度違いのサンプル作成や塗工方法のテクニカルサポートも行っています。

ご質問やサンプルのご要望など、お気軽にお問い合わせください。

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