DAISAVE SS-110
DAISAVE SS-110は、半導体業界で用いられるチラー向けの熱媒体やヒートパイプやヒートポンプの作動液などに適したフッ素系液体です。
概要
特長
- 幅広い使用可能温度範囲により様々な温度管理要求に対応できます。
- 絶縁性が高く、安定性にも優れるため装置や設備、製品などとの適合性に優れます。
- 低粘度、熱安定性、熱伝導性に優れるため熱輸送量が大きい。
- オゾン破壊係数(ODP)がゼロ、地球温暖化係数(GWP)が低い。
- 引火点がなく、取り扱いが容易です。
用途
熱媒ソリューション
【半導体製造工程における熱媒体】
半導体製造において大量の熱を発生させるエッチング、成膜、イオン注入といった工程では、最近の工程の増加と複雑化の影響もあり温度管理要求がますます厳しくなっています。
半導体の製造工程は使用温度帯も超低温から高温まで幅広いため、熱媒体としてフッ素系液体が広く使われています。
・使用可能温度範囲が広いだけでなく、熱伝導性が高く熱的安定性も優れるため幅広い温度管理要求に対応できる
・絶縁性が高いことから電食を防止する効果も高く、装置・設備等のメンテナンス性を高めることができる
・引火点が無く、不活性で化学的にも安定していることからクリーンルーム内の装置や設備にも適している
【ヒートパイプ・ヒートポンプの作動液】
産業機器や電化製品の多くに使われている熱伝導素子であるヒートパイプの作動液には、熱輸送量が大きく流動抵抗が小さいことが要求されます。
安定性が高く一般的な材料との適合性にも優れるフッ素系液体は、長い期間にわたって使える作動液としても注目されています。
・密度が高く単位流量あたりの熱輸送量が大きいため熱伝導性に優れ、かつ熱安定性にも優れる
・気液両相において低粘度であるため、作動液の流動抵抗を小さくできる
・引火点が無く安定性がありウイックおよびコンテナ材料に対する適合性に優れる
TECHNICAL DATA
一般物性
項目分類 | 項目 | SS-110 |
---|---|---|
動作温度範囲 | 沸点[℃] | 110 |
凝固点[℃] | <-130 | |
電気特性 | 体積抵抗率[Ω・cm] | 1013 |
比誘電率 | 2.0 | |
熱特性 | 動粘度[cSt]25℃ | 0.95 |
熱伝導率[W/m・k]25℃ | 0.064 | |
比熱[kJ/(kg・K)]25℃ | 1.03 | |
密度[cm3]25℃ | 1.78 | |
GWP |
<100 ※計算値 |
適応基材
樹脂 | ABS、AS、エポキシガラス、PA6、PA66、PBT、PC 、PE、PET、PF、PMMA、POM、PP、PPE、PPS、PS、PVC、PTFE、FEP、PFA、ETFE、PVDF、ECTFE |
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ゴム | クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、天然ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム(二元系) |
金属 | アルミニウム、銅、亜鉛、真ちゅう、SUS304、SUS316 |