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開発品紹介

08/2026

【ダイキンのバイオマス材料開発】第一回

材料設計技術を活かしたバイオマス材料の開発

生分解性樹脂やバイオマス樹脂には、靭性や耐衝撃性、外観品質、加工性などの面で課題があり、実用化の障壁となることがあります。
当社のテクノロジー・イノベーションセンター(TIC)では、混練プロセスにおける微分散技術を活用し、材料設計の観点から課題解決に取り組んでいます。その技術を活かし、環境負荷低減への貢献と機能性の両立に向けた複合材料の開発・提案を進めています。

バイオマス材料とは

バイオマス材料とは、植物などの再生可能な生物資源を原料として製造される材料です。化石資源への依存低減や資源循環への貢献が期待されることから、持続可能な社会の実現に向けた材料として注目されています。
近年では、バイオプラスチックをはじめとする環境負荷低減への貢献を目指した高機能材料の採用が拡大しています。一方で、バイオマス材料であることと、生分解性を有することは必ずしも同義ではありません。また、用途によっては強度や耐衝撃性、加工性、外観品質などが求められるため、材料選定においては環境負荷低減への貢献だけでなく、機能性とのバランスを考慮することが重要です。


図1.バイオマス材料分類図


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バイオマス樹脂・生分解性樹脂の課題

バイオマス樹脂や生分解性樹脂は、用途によっては靭性や耐衝撃性が十分でなく、割れや欠けが生じやすい場合があります。また、白色度や外観品質のばらつき、薄膜化やフィルム加工時の加工性、成形安定性が課題となることもあります。さらに、用途によっては海洋生分解性や耐熱性、耐衝撃性といった付加機能が求められるため、用途に応じた機能性の確保が重要です。こうした課題に対しては、材料内部の相構造や分散状態を最適化する材料設計技術が重要な役割を果たします。

 

ダイキンのアプローチ

当社では、混練プロセスにおける分散状態を最適化し、材料内部の相構造を制御することで、バイオマス樹脂や生分解性樹脂が抱える課題の改善に取り組んでいます。バイオマス材料は、原料由来の特性に加えて、用途ごとに求められる物性が大きく異なります。そのため、一般的な材料選定だけではなく、用途起点で必要性能を設計し、それを実現するプロセス条件まで踏み込むことが求められます。当社は、これまで培ってきた材料設計の知見を活かしながら、環境負荷低減への貢献と機能性の両立を目指した複合材料の開発を進めています。

 

ダイキンが開発するバイオマス材料の特長

当社では、用途や要求特性に応じて、以下のような開発品をご提案しています。
1) バイオマス樹脂(生分解性)複合材料
2) バイオマス樹脂(海洋生分解性樹脂を主成分とする材料*)複合材料
3) ABS代替可能なバイオマス樹脂材料
4) バイオマス熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂


これらの材料は、バイオマス由来原料を使用していることから環境負荷低減への貢献が期待され、実際の製品開発への適用をご検討いただける開発品です。


*ASTM D6691-24a法を参考に試験条件を設定し、海水中での生分解性評価を実施したところ、90日間で80%以上の生分解度を示した。

 

ダイキンが目指すもの

持続可能な社会の実現には、環境負荷を下げるだけでなく、実際に社会で活用される素材であることが不可欠です。バイオマス樹脂の開発は、単なる代替材料の提案ではなく、新しい産業価値をどう生み出すかというテーマでもあります。
当社は、フッ素化学で培った精密な材料設計技術を基盤に、パートナー企業との協創を通じて、高機能かつ持続可能な材料ソリューションの実現を目指しています。今後も、素材技術の進化を通じて、お客様の製品開発および社会課題の解決に貢献していきます。


次号では、当社が開発する1)バイオマス樹脂(生分解性)複合材料と、2)バイオマス樹脂(海洋生分解性)複合材料についてのご紹介と、それぞれの特長を活かした想定用途をご紹介します。バイオマス材料の特長を、どのように実用化につなげていくのか。ぜひ次回もご覧ください。

 

ご質問やサンプルのご要望など、お気軽にお問い合わせください。