製品紹介
01/2026
半導体製造装置の高電圧化に対応
バスバー向け絶縁フッ素樹脂塗料
半導体やデータセンター分野における装置の小型化と高出力化に伴い、高電圧・大電流を限られたスペースで安全かつ安定的に扱うことが求められています。その結果、配電系統の高密度実装が進み、絶縁信頼性や熱対策の重要性が一段と高まっています。こうした中で配電手法として注目されているのが「バスバー」です。
本稿では、そのバスバーの絶縁材料として、高い絶縁性と耐熱性を兼ね備えたダイキンのフッ素樹脂塗料をご紹介します。
バスバーとは - 高電流をスマートに扱う配電部材
バスバーは、電気エネルギーを効率的に伝えるための平たい金属導体で、主に銅やアルミニウムが用いられます。ケーブル配線に比べてレイアウトの自由度が高く、以下のような特長から、電気自動車だけでなく、半導体製造装置やデータセンター電源でも採用が拡大しています。
- 図1. バスバー
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1. スペースの節約
コンパクトな配線ルート設計が可能になり、装置全体のレイアウト自由度向上に寄与します。
2. 効率の向上
大電流を低インピーダンスで伝送できるため、銅損の低減や電力変換効率の向上に貢献します。
3. 軽量化
多数のケーブル配線をバスバーに置き換えることで、システム全体の軽量化が期待できます。
4. コスト削減
部品点数削減や組立工数の効率化につながり、製造コストの低減にも寄与します。
半導体製造装置やデータセンター用途では、これらに加えて「高電圧・高温環境での信頼性」が求められるため、バスバーの絶縁設計が重要な検討ポイントになります。
バスバーの絶縁方式
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バスバーの絶縁は、電力システムの安全性と効率性を確保するために非常に重要です。
複数の絶縁方式がある中で、バスバーの形状を問わず、薄膜で加工が可能である絶縁塗装が注目されている一方、従来の汎用樹脂での絶縁塗装では、高電圧化に伴う高温域での絶縁性維持に課題があります。
フッ素樹脂塗料は、高い絶縁抵抗、優れた耐熱性を兼ね備えているため、高電圧化・高温化が進むバスバーの絶縁材料としての活用が期待されます。
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図2. バスバーの絶縁方式の比較
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ダイキンのバスバー向けフッ素樹脂塗料
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当社は長年培ってきたフッ素化学の技術を活かし、バスバー用途に適したフッ素樹脂塗料を「粉体塗料」と「溶剤塗料」の2タイプでご提供しています。装置設計・製造プロセスに応じて選択いただけます。
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図3. バスバー(フッ素樹脂絶縁塗装)
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1) 粉体塗料:高電圧・高温環境向けの厚膜絶縁
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粉体塗料は、バスバーに厚膜で高い絶縁層を形成したい場合に適しています。
- 厚膜加工が容易で、高電圧用途に必要な絶縁性の確保がしやすい
- 高い絶縁抵抗と優れた耐熱性により、高温環境下でも安定した電気特性を維持
フッ素樹脂粉体塗料は高温焼付(320°C以上)が必要となります。また、銅のメッキ処理が必要です。
- 表1. フッ素樹脂粉体塗料の基本物性
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2) 溶剤塗料:薄膜・低温プロセス向けのフレキシブルな選択肢
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製造プロセスの制約や基材特性から、「高温焼付は避けたい」「薄膜でコンパクトに絶縁したい」といったご要望もあります。そのような場合には、溶剤系フッ素樹脂塗料が適しています。
- 薄膜加工が容易で、限られたスペースでも配線密度を確保しやすい
- 低温での焼成が可能なため、基材や周辺部材への熱負荷を抑制
溶剤系塗料は、最低120°Cでの焼成が可能です。また、メッキ処理は不要です。
- 表2. フッ素樹脂溶剤塗料の基本物性
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想定用途
ダイキンのバスバー向けフッ素樹脂塗料は、長期にわたる高い絶縁性と耐熱性の維持が求められる、以下のような用途での利用を想定しています。
- 半導体製造装置
プラズマエッチング装置、露光装置などの電源モジュール、制御盤内バスバーの絶縁強化
- データセンター配電盤・電源ユニット
高密度配電における安全性・信頼性の向上
- 自動車内部システム
xEV向けインバータ、オンボードチャージャー、DC-DCコンバータ等のバスバー絶縁(特に高温・高電圧環境下)
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