PFOAに関する当社の取り組み
更新日:2026年7月24日
このページでは、PFAS(ペルフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル物質)の一種であるPFOA(ペルフルオロオクタン酸)に関し、その概要やダイキン工業の取り組みをご紹介します。
当社は、2000年頃に環境中におけるPFOAの長期残留性が認識された頃から、自主的に、環境への排出削減や製造・使用の削減を進めてまいりました。そして、2019年の国際条約における規制物質への指定や、2021年の日本における法規制に先立ち、2015年までに国内外の全拠点においてPFOAの製造・使用を終了しています。
ただし、過去にPFOAを製造または使用していた拠点の敷地内地下水においてPFOAが確認されていることを踏まえ、PFOAに関する科学的知見や規制動向を継続的に確認しながら、PFOAに関する取り組みを進めています。
本ページでは、PFOAに関する基礎情報、当社の自主的な取り組みの歩みや現在の取り組みについてご紹介します。
1) PFOAとは
PFOAとは
PFOA(ペルフルオロオクタン酸)とは、多くの異なる種類の有機フッ素化合物の一種であり、PFAS(ペルフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル物質)に含まれる物質のひとつです。
近年では、環境中で分解されにくい性質等を背景に、各国・地域において規制や管理の検討が進められています。
PFOAの過去の用途
PFOAは、化学メーカーに限らず、幅広い産業分野の様々な用途に使用されてきました。界面活性剤としてフッ素ポリマーの製造時の助剤等に使用されたほか、PFOAを使用して製造された化学製品は、撥水・撥油剤、防汚剤等として利用され、繊維製品、電子基板、自動車部材、食品包装紙、石材、フローリング、皮革製品、防護服等、私たちの身近な製品に使われていました。
その後、国際的な規制の進展を受け、各国・地域においてPFOAの製造・使用の禁止に関する規制の導入や代替技術への移行が進められています。
<関連情報>
2) PFOAの製造・使用の削減・全廃に向けた当社の取り組み
当社では、1960年代後半から他社より購入したPFOAの取り扱いを開始しました。1980年代からは淀川製作所においてPFOAの製造を開始し、他社からの購入品と併せて、PFOAをフッ素ポリマー製造時の助剤として使用していました。
2000年頃に環境中におけるPFOAの長期残留性を認識したことから、環境排出削減および代替技術の開発に自主的に着手しました。2006年には、世界の主要フッ素化学メーカーとともに、PFOAおよび関連物質の削減・全廃を目指す「PFOA自主削減プログラム(PFOA2010/2015スチュワードシップ・プログラム)」に参画しました。
その後も段階的な削減を進め、2015年までに国内外の全拠点においてPFOAの製造・使用を終了しています。これは、後述の2019年の国際条約における規制物質への指定、2021年の日本における法規制に先立つ取り組みでした。
3) 関係する皆様とのPFOAに関する継続的な取り組み
当社では、PFOAの製造・使用終了に先立ち、環境調査などPFOAに関する取り組みを進めてきました。
製造・使用を終了した現在も、敷地内の地下水中のPFOAの対策に取り組んでいます。PFOAに関する研究や規制は現在も進展しており、当社は国内外の規制動向や科学的知見を確認しながら、関係諸機関と連携しつつ、必要に応じて当社のPFOAに関する取り組みのあり方を見直し、改善に取り組んでいます。
行政機関との連携
当社は、行政機関との連携を図りながら、PFOAに関する環境管理を継続しています。
情報発信とコミュニケーション
当社は、環境対応に関する情報を継続的に発信し、透明性の確保に努めています。今後も、地域社会をはじめとするステークホルダーとのコミュニケーションを大切にしながら、PFOAに関する取り組みを進めてまいります。
拠点における取り組み
当社の国内における化学事業の製造拠点は、淀川製作所および鹿島製作所の2拠点です。両拠点では、行政機関との連携のもと、PFOAに関する環境管理に取り組んでいます。各拠点における環境対応の内容や進捗については、以下の専用ページをご覧ください。
4) PFOAに関する規制・評価
PFOAに関する管理や評価のあり方は、国内外における環境調査や科学的知見の蓄積に応じて見直されてきました。
日本を含む各国・地域では、環境中の実態把握や健康影響に関する研究が継続的に行われており、それらの結果を踏まえながら管理や評価の方法について検討が進められています。
物質としての規制
PFOAについては、国際的な環境保全の観点から規制が進められています。
2019年、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」(POPs条約)において、PFOAが同条約の規制物質として追加されました。
また、日本では2021年より、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)に基づき、原則として日本におけるPFOAの製造・輸入・使用が禁止されています。
水道水や公共用水域・地下水における規制等
日本では、2026年4月より、水道法に基づく水質基準にPFOSおよびPFOAが新たに位置付けられ、これにより、水道事業者に定期的な水質検査が義務付けられるようになりました。基準値は、PFOSとPFOAの合算値で50ng/L以下とされています。
一方、公共用水域(河川や湖沼など)および地下水におけるPFOA濃度については、環境省による指針値(*)の設定がなされています。指針値は、法令上の義務を直接課すものではなく、国や自治体による環境調査や実態把握において参照される数値であり、PFOSおよびPFOAの合計値で50ng/L以下とされています。
なお、現在、土壌や食物(米・野菜等)に関する指針値は規定されておらず、濃度に関する規制はありません。
(*)「指針値」とは、水環境における濃度として、他の曝露源からの寄与を考慮しつつ、生涯にわたる連続的な摂取をしても健康に影響が生じない水準をもとに安全性を十分考慮して環境省において設定された値をいいます。
健康影響に関する研究と評価
PFOAの健康影響については、現在も様々な研究や評価が行われていますが、各国・各機関の評価に相当のばらつきが見られる等、未だ国際的に統一された結論には至っていません。
2023年12月には、世界保健機関(WHO)傘下の一機関である国際がん研究機関(IARC)が発がん性の証拠の強さを評価し、PFOAをグループ1に分類しました。もっとも、食品安全委員会の説明のとおり、国際がん研究機関(IARC)の分類は、物質が発がん性を示す根拠があるかどうかによるものであり、発がん性の強さや摂取量(=ばく露量)による影響は、考慮されていません。したがって、ヒトにおける実際の発がんの確率や重篤性を示すものではありません。
現在も、各国・各機関において研究や評価が継続されています。当社は、引き続き、各国・各機関によるPFOAへの最新の評価を随時収集する等してPFOAに関する動向を注視してまいります。
<関連情報>
> PFASハンドブック(令和7年12月版)
> PFOS、PFOAに関するQ&A集(環境省ウェブサイト)
> 水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて(第5次答申)(環境省ウェブサイト)
> 「水質基準に関する省令の一部を改正する省令」及び「水道法施行規則の一部を改正する省令」の公布等について(環境省ウェブサイト)
> 「有機フッ素化合物(PFAS)」の評価に関する情報(内閣府食品安全委員会ウェブサイト)

