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PFASに関する当社の取り組み


PFASの環境排出削減と継続的な技術開発

PFASとは
PFAS(ペルフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル物質)とは、何千種類にもわたる多様な化学物質の総称で、それらは耐熱性、耐候性、耐薬品性、撥水撥油性、潤滑性、電気絶縁性といった非常に重要な特性を持っています。これらの特性は、炭素原子とフッ素原子の非常に強い結合から生まれるものです。こうした特性を備えるPFASを使用した材料は、半導体、自動車、バッテリーなど、私たちが毎日使用する数多くの製品で使用されています。


各国政府との連携
当社が製造する、または当社製品の製造に使用するPFASは、米国環境保護庁(EPA)や米国食品医薬品局(FDA)などの規制当局によって承認されています。また、世界各地の製造拠点では、今後も各国政府の規制当局と連携し、一般的な法令遵守に留まらない環境改善に対する取り組みを行っています。


PFASの多様性
全てのPFASが同じ性質を有しているというわけではありません。PFASには様々な種類があります。個々のPFASは、それぞれに異なる特性や用途、環境面の特徴があり、性質が大きく異なります。例えばフッ素ポリマーは、一般的に不活性で安定的な毒性のない化学物質です。フッ素ポリマーは大きな分子量であるため、基本的に生体内で作用することや蓄積することがありません。フッ素ポリマーは、経済協力開発機構(OECD)の「低懸念ポリマー(*1)」の基準を満たしています。



PFOAの使用中止とより安全な製品の開発
一部のPFAS、例えばPFOA、PFOSやPFHxSは、ストックホルム条約の規制物質に指定されておりますが、当社では、PFOAは既に使用を中止しており、PFOSとPFHxSは過去から現在に至るまで一切使用しておりません。


2006年、米国EPAは、当社を含むPFASの主要メーカー8社に対し、2010年までにPFOA排出量を自主的に2000年の排出量から95%削減するよう要請しました。当社は、期限よりも2年早い2008年までに、この削減目標を達成しました。米国EPAはまた、2015年までにすべてのPFOAの使用とそれに関連する排出を自主的に終了するよう企業に要請しました。当社は、米国では期限よりも3年早い2012年までに、グローバルでは2015年までにこの目標を達成しました。


フッ素化学品の持つユニークな特性を、健康、安全、快適、安心、環境保全などの幅広い業界で安全に活用できるようにするために、当社は、PFASの研究開発に多額の投資を行っており、各国の規制要件に準拠した製品を開発しています。


PFAS排出量の最小化
当社は、2020年末までにすでに1億ドルを投資し、既に排水中からのPFAS回収を進めています。現在、当社の全ての工場では、排水中におけるPFAS(*2)の回収率を99.9%にするという新たな社内目標に向けて取り組んでいます。この大きな目標を達成すれば、PFAS製造による水域への潜在的な影響を最小限に抑え、世界における責任あるPFAS製造の新しいベンチマークを設定することが可能となります。


継続的な改善
当社は、この重要な目標を達成するだけでなく、製造過程を継続的に改善し、環境スチュワードシップを強化することに取り組んでいきます。その一部として、当社製品の安全な製造と使用を確かなものとするための新しい技術の検討とその実行にも取り組みます。
1) 現在使用しているフッ素系乳化剤を使わない、より持続可能な技術にアップグレードする方法を検討していきます。
2) 2023年から建設が開始される新しい製造工場においては、フッ素系乳化剤を使用しない方法を検討していきます。


備考:
低懸念ポリマー(*1)の定義:https://www.oecd.org/env/ehs/oecddefinitionofpolymer.htm/1000
PFAS(*2)とは、ペルフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル物質を指し、立法当局や規制当局が認める分析方法で個別に同定・定量される物質を示します。